Gimpとは
画像加工ソフトというと、有名なのがAdobe photoshopでしょう。
最近は生成AI機能が充実していて、かなり高性能な画像加工ソフトです。
しかし有料で、買取型ではなく、サブスプリクション(月額制)で、最も安いフォトプランで1,078 円 (税込) です。
しかし、個人や、仕事でも会社が小規模なところの場合は、その出費も抑えたいという人はいると思います。
そんな時に使用して欲しいのがGimpです。
GIMPはWindows、Mac、Linuxで使用することが出来る無料の画像加工ソフトです。
GimpはRGBカラーのみ対応で、印刷で使われるCMYKカラーに対応していないため、商業印刷の世界で仕事をする人には使えない、また生成AI機能は搭載されていないという点がありますが、それを抜かせば、Adobe Photoshop並みの機能があります。
元々、GIMPはWEB系のグラフィック編集を想定して開発されたRGBのソフトウェアのため、WEBの画像編集や画像制作、パーツ作りには向いていて、それ以外にも印刷する際にはRGBカラーになるMicrosoft Officeなどに代表されるオフィススイートの画像編集にも向いています。
印刷業界に関わる人以外には、CMYKに対応するAdobe photoshopは必ずしも必要ではなく、生成AI機能も画像加工を行うのに必要ありません。
ただGIMPは操作方法が独特なので、初めのうちは戸惑う人が多いと思います。
そんな人のために、このGIMPというカテゴリーでは、画像を入れて分かりやすくGimpの使い方を紹介します。
今回は、GIMPで人物を切り抜く方法をご紹介します。
Adobe PhotoshopだとAI機能で簡単に出来ますが、GIMPにはAI機能はありませんが、簡単に行うことが出来ます。
私が今回使用したOSはLinuxのXubuntuですが、WindowsやMacでも同じことができます。
なお私の使用したGIMPは使いやすくするためにPhotoshop風にしています。
以下のサイトを見ると、Photoshop風にする方法が丁寧に書いてありますので、このようにしたい方は、参考にしてください。
GIMPで人物切り抜きを行う方法
今回は、素材サイトの「ぱくたそ」から以下の画像を使って、人物の切り抜きを行います。
① 前景抽出選択ツールを選択する
ツールボックスから前景抽出選択を選択します。
ツールオプションの、「境界をぼかす」にチェックを入れ、半径を3.0程度にして、描画モードの「前景を描画」にチェックを入れます。
② 大雑把に囲む
切り抜きたい人物の境界より大雑把でいいので、外側をクリックしながら、パスで囲みます。
その後にエンターキーを押します。
すると以下のような、人物以外がブルーになります。
③ 人物の内側を大雑把にブラシで線を引く
カーソルがブラシになるので、大雑把でいいので以下のように、人物の内側に線を引いていきます(ブラシの大きさをしたい変更場合は、ツールオプションのストロークの幅を変更してください)。
前景抽出選択のダイアログの「マスクのプレビュー」にチェックを入れます。
すると、以下のように人物の部分以外がブルーになり、ほとんど選択された状態になります。
前景抽出選択のダイアログの選択をクリックします。
すると人物のほとんどの部分が選択されます。
④ レイヤーマスクを作成する
新規レイヤーを作成します。
レイヤーパネルの下の新規レイヤーボタンをクリックします。
すると、新規レイヤーのダイアログボックスが現れるので、塗りつぶし色を透明にしてOKをクリックします。
新規レイヤーが作成されます。
新規レイヤーを選択し、白で塗りつぶします。
▲ツールボックスの下の背景色である白をドラッグ・アンド・ドロップすると、簡単に白に塗りつぶせます
コントロールキー+Cで新規レイヤーをコピーします。
下のレイヤーを選択し、右クリックでレイヤーマスクの追加を選択します。
レイヤーマスクの追加のダイアログボックスの「完全透明(黒)」にチェックを入れ、OKをクリックします。
コントロールキー+Vを押します。
フローティング選択範囲というレイヤーが現れます。その状態で、下にあるフローティングレイヤーを固定のボタンをクリックします。
これでレイヤーマスクが追加されます。
▲レイヤーの右側(黒に表示されている部分)がレイヤーマスクです
なお、上のレイヤーはいらないので、削除します。
下のレイヤー削除ボタンをクリックします。
すると上のレイヤーが削除されます。
⑤ レイヤーマスクを選択した状態で、人物以外の部分をブラシで塗って消す
レイヤーマスクが選択された状態で、ツールボックスのブラシを選択します。
人物以外の部分を消したい場合は、描画色を黒に、人物の部分で上手く切り抜けていない部分は描画色を白にして、塗っていきます。
細かい部分は見づらいため塗りにくいので、コントロールキーを押した状態でマウスホールを上に回すと画像が拡大表示されるので、それを使った方がいいでしょう。
これで人物だけがマスクがかかった状態になります。
⑥ 新規レイヤーを作成し、人物を貼り付ける
レイヤーマスクを選択したままで、ツールボックスのファジー選択ツールをクリックします。
しきい値を、大きめにします(ここでは25.0にしました)。
人物の部分をクリックします。
すると人物の部分が選択されます。
レイヤーの左側をクリックします。
コントロールキー+Cを押します。
新規レイヤーを作成します。
そして、コントロールキー+Vを押します。
フローティング選択範囲というレイヤーが現れるので、その状態で、下にあるフローティングレイヤーを固定のボタンをクリックします。
下のレイヤーの目のアイコンを押して非表示にします。
すると上のレイヤーに人物だけが切り抜かれた画像が貼り付けられているのが確認できます。
人物の切り抜きが出来れば、例えば、下に画像(ぱくたその画像を使わせていただきました)を入れれば、以下のようなコラージュ作品が作れます。
GIMPでの人物切り抜きは、慣れてしまうと簡単に出来ますので、ぜひ試してください。