
LibreOffice Calcで住所を「都道府県」と「都道府県以下」に分ける
LibreOffice Calcとは?
数値データの集計や解析、複雑な計算などを行う場合、使用するのが表計算ソフトです。
有名なソフトはEXCELですが有料です。
あまりお金がかけられない、出来たら無料で使用したいと思う方にオススメなのがofficeソフトのLibreOfficeに入っているLibreOffice Calcです。
Windows、Mac、Linuxと幅広いOSで使用でき、完全ではありませんがEXCELと互換性があります(LibreOfficeは、こちらからダウンロードできます)。
Excelと似た操作方法で使用できます。
Excelで最も使用するであろう関数は、EXCELと同じものがほとんど使用できます。
ただLibreOffice Calcは、EXCELと互換性がありますが完全ではないという問題があります。
具体的に書くと、LibreOffice Calcで仕事用のデータを作って、Excelに読み込むと、一部文字が欠けたりレイアウトなどが崩れたりなどがよく起きます。
そのため、例えばLibreOffice Calcで作ったデータを仕事で使うとなると、会社のEXCELで最終的に修正しなければなりません。
しかしLibreOffice Calcは、EXCELと操作方法が似ているため、Excelに慣れていれば修正作業自体はそんなに時間は掛かることはないでしょう。逆に下書き用として使用して、最終的に会社のExcelで完成させるという感じに使う方法で利用するのもいいでしょう。
表計算ソフトの勉強のためにLibreOffice Calcを使用したい方には、完全互換ではありませんが、操作方法が似ているため、LibreOffice Calcで操作を覚えれば、表計算ソフトの代表格のEXCELを使う場合、応用が効くためすぐに慣れて使用できるようになります。
LibreOffice Calcで住所を「都道府県」と「都道府県以下」に分ける
LibreOffice Calcで住所録作って使用していると、住所を「都道府県」と「それ以下」に分けたい場面があると思います。
住所を「都道府県」と「それ以下」に分けると、以下のようなメリットがあります。
- データのソートが簡単になる…どの都道府県に何人いるか、簡単に集計できる
- フィルター機能が使いやすくなる…都道府県ごとのデータ分析がスムーズに行える
- 検索・集計が効率化…ピボットテーブルやグラフ作成にも便利
しかし、手作業でコピー&ペーストをして分割すると、作業が大変ですし、データ数が多くなればなるほど入力ミスが起きやすくなります。
LibreOffice Calcでは、これを複数の関数を使用することで、コピー&ペーストしないで、都道府県と都道府県以下のを分けることができます。
今回のブログ記事では、LibreOffice Calcで複数の関数を使って、住所を都道府県と都道府県以下に分ける方法をご紹介します。
今回は、以下の住所録の表でご紹介します。

なお、今回はLinux(Xubuntu)を使用して説明しますが、Windows、Mac、Chromebookでも同様の作業が出来ます。


LibreOffice Calcで住所を「都道府県」と「都道府県以下」に分ける方法
①最初に都道府県を取り出す
都道府県を取り出すには、以下の関数を使用します。
- IF関数…条件によって結果を分ける関数
- MID関数…◯文字目のところから◯文字分取り出す関数
- LEFT関数…左から数えて◯文字分取り出す関数
都道府県と住所を分ける際に、認識することは、都道府県には3文字と4文字があることです。
4文字のものは、神奈川県、和歌山県、鹿児島県の3つがあります。
ここで注目すべきことは、全て最後に県がついていることです。
なのでもし住所の4文字目が県ならば、先頭から4文字を取り出す、それ以外は3文字を取り出すという関数を、都道府県を表示させるセル(ここではD3です)に入力し、ENTERキーを押します。
この住所録の表だと、関数は以下のようになります。
=IF(MID(C3,4,1)="県",LEFT(C3,4),LEFT(C3,3))

この式のC3とは住所が入っているセルと思ってください。
ここでこの式で使われている関数の説明をしますと、
- MID(C3,4,1)=”県”、C3の4文字目の1文字が県であるという意味
- LEFT(C3,4)は、左から4文字目を取り出すという意味
- LEFT(C3,3))は、左から3文字目を取り出すという意味
となります。
LibreOffice Calcの関数の初心者の方は、よくわからないかもしれません。
これはMID関数、LEFT関数の勉強をすると、意味がわかってきます。
なので、今回は初心者の方は式の丸暗記で構いません。
すると以下のようになります。

オートフィルで下まで式をコピーします。

これで、3文字の都道府県、4文字の県が取り出せます。

②都道府県以外を取り出す
都道府県以外を取り出すには、以下の関数を使用します。
- RIGHT関数…右から数えて◯文字分取り出す関数
- LEN関数…文字を数える関数
都道府県以外を取り出すには、右からその文字を数えて取り出します。
都道府県以外を取り出して表示させる関数を、都道府県以外を表示させるセル(ここではE3です)に入力し、ENTERキーを押します。
この住所録の表だと、関数は以下のようになります。
=RIGHT(C3,LEN(C3)-LEN(D3))

この式のC3とは住所が入っているセルと思ってください。
ここでこの式で使われている関数の説明をしますと、
- RIGHT(C3,は、C3から右から数えます、という意味
- LEN(C3)は、C3の文字、ここでは都道府県を含めた文字を数えるという意味
- -LEN(D3)は、D3に表示されている都道府県を引きますという意味
となります。
LibreOffice Calcの関数の初心者の方は、よくわからないかもしれません。
これはRIGHT関数、LEN関数の勉強をすると、意味がわかってきます。
なので、今回は初心者の方は式の丸暗記で構いません。
すると以下のようになります。

オートフィルで下まで式をコピーします。

これで、都道府県以外を取り出せます。

③都道府県と住所を分けたデータをテキストデータにする
このままの状態だと他のExcelのシートに都道府県と住所をコピー&ペーストすると、関数がペーストされてしまいます。
そのため、都道府県と住所をテキストデータとしてペーストする必要があります。
ここでは、都道府県と住所をテキストデータとしてペーストする方法をご紹介します。
例として顧客録を作り、ここに都道府県と都道府県以下をテキストデータとしてペーストしてみます。

住所録の都道府県と都道府県以下をCtrlキー+Cでコピーします。

コピーした都道府県と都道府県以下を貼り付ける、顧客録の左上のセル(ここではC3です)を右クリックして、形式を選択して貼り付ける→テキストを選択します。

すると都道府県と都道府県以下がテキストデータとしてペーストされます。
セルを見ると、関数の式ではなくテキストになっていることが分かります


